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【2026年版】相続した土地の評価額の調べ方|路線価・固定資産税評価額の違い
2026.10.27相続コラム
親から土地を相続したものの、「この土地の評価額はいくらで、どうやって調べればいいのか」がわからず、手が止まっている方は少なくありません。固定資産税の通知書の金額、路線価、不動産会社の査定額と、数字がいくつも出てきて混乱しやすいのが相続した土地の評価額の難しいところです。この記事では、路線価方式・倍率方式による調べ方を中心に、手順と注意点を東京23区の実務目線で整理します。
相続税の計算に使う土地の評価額は、固定資産税評価額ではなく「相続税評価額」です。東京23区の土地はほとんどが路線価地域なので、国税庁の路線価図で「路線価×面積」を出し、形状などの補正を加えるのが基本です。郊外などの倍率地域では「固定資産税評価額×倍率」で求めます。さらに、自宅の敷地なら小規模宅地等の特例で評価額が大きく下がる場合があります。評価額は売却価格とは別物なので、申告は税理士、売却の見込みは不動産会社と、役割を分けて確認するのが失敗しない進め方です。
▲ 当社YouTube「相続不動産の教科書」より|【知らなきゃ大損】小規模宅地等の特例をわかりやすく解説。相続税が何百万円も変わります
相続した土地の評価額は4種類ある|まず違いを整理
土地の価格は「一物四価」と呼ばれるように、目的によって複数の基準が存在します。相続の場面で混乱しやすいのは、これらを区別せずに比べてしまうことです。まずは全体像を押さえましょう。
| 価格の種類 | 決める機関・時期 | 主な使い道 | 水準の目安 |
|---|---|---|---|
| 実勢価格(時価) | 市場の売買で決まる | 実際の売却・購入 | 個別性が大きい |
| 公示地価 | 国土交通省(毎年1月1日時点) | 土地取引の指標 | 基準(100とした場合) |
| 相続税評価額(路線価) | 国税庁(毎年7月初旬ごろ公表) | 相続税・贈与税の計算 | 公示地価の8割程度 |
| 固定資産税評価額 | 市区町村(23区は東京都)/原則3年に1度評価替え | 固定資産税・登録免許税など | 公示地価の7割程度 |
このうち、相続税の申告で使うのは相続税評価額です。固定資産税の課税明細書に載っている「評価額」は固定資産税評価額であり、そのまま相続税の計算に使えるわけではありません。一方、相続登記の登録免許税は固定資産税評価額をもとに計算するため、同じ土地でも手続きによって使う数字が違うという点を頭に入れておきましょう。
また、表の「水準の目安」はあくまで一般的な傾向です。路線価は公示地価のおおむね8割を目安に設定されているため、相続税評価額は時価より低めに出やすい一方、形がいびつな土地や接道に問題がある土地では、市場での売却価格が評価額を下回ることもあります。評価額=売れる価格ではないことは、後の売却判断でも重要になります。
相続した土地の評価額を調べる前に集める資料
評価額の計算に入る前に、土地の「所在・地番・面積・固定資産税評価額」を正確に把握する必要があります。住所(住居表示)と登記上の地番は異なることが多く、ここを取り違えると別の土地を評価してしまうため注意が必要です。
最低限そろえたい4つの資料
- 固定資産税の課税明細書:毎年春ごろに届く納税通知書に同封。地番・地積・固定資産税評価額が載っています。
- 登記事項証明書(登記簿謄本):法務局で取得。所有者・地目・地積・抵当権などの権利関係を確認します。
- 公図・地積測量図:法務局で取得。土地の形、どの道路に接しているか、間口や奥行きをつかむ手がかりになります。
- 固定資産評価証明書・名寄帳:課税明細書が見つからない場合に取得。被相続人名義の不動産を一覧で確認でき、申告漏れの防止にも役立ちます。
東京23区では、固定資産税は区ではなく東京都が課税しているため、評価証明書や名寄帳は区役所ではなく都税事務所で取得します。他の市町村の感覚で区役所に行ってしまい、二度手間になるケースはよく見かけます。取得には相続人であることを示す戸籍謄本などが必要になるため、事前に都税事務所へ必要書類を確認しておくとスムーズです。
面積は「登記簿」と「実測」が違うことがある
相続税評価では、原則として実際の面積で評価するとされています。古くから所有している土地では、登記簿の面積と実測面積がずれていることも珍しくありません。測量図がない、境界標が見当たらないといった場合は、評価だけでなく将来の売却にも影響するため、早めに状況を確認しておきましょう。
路線価方式で相続した土地の評価額を調べる手順
市街地の土地は、道路ごとに付けられた「路線価」をもとに評価します。東京23区内の土地は、ほぼ全域が路線価方式の対象と考えてよいでしょう。ここでは、ご自身で概算をつかむための手順を順に解説します。
国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」のサイトで、都道府県→市区町村→町名の順に該当ページを開きます。使うのは亡くなった年(相続開始年)の路線価です。最新年のものと取り違えないよう注意しましょう。
住宅地図や公図と照らし合わせ、土地の位置を路線価図上で探します。道路に沿って「500C」のような表示があれば、それがその道路の路線価です。
数字は1㎡あたりの価格を千円単位で表しています。「500」なら1㎡あたり50万円です。後ろのアルファベット(A〜G)は借地権割合を示す記号で、土地を貸している場合などに使います。
まずは単純に路線価に面積を掛け、おおよその水準をつかみます。
奥行きの長短、間口の狭さ、不整形、角地かどうかなどに応じて補正率を掛けたり加算したりします。ここが評価額を大きく左右する部分です。
計算例:整形地で一方だけ道路に接する場合
例として、路線価が「500」(1㎡あたり50万円)の道路に面した、面積100㎡の整った形の土地を考えます。
- 基本額:50万円 × 100㎡ = 5,000万円
- 奥行きが標準的で、補正率が1.0となる場合は、相続税評価額はおおむね5,000万円
実際には、奥行きが極端に短い・長い場合は「奥行価格補正率」で減額され、間口が狭ければ「間口狭小補正」、奥に細長ければ「奥行長大補正」などがかかります。補正率は国税庁が定める表から地区区分(普通住宅地区、普通商業・併用住宅地区など)ごとに読み取ります。地区区分は路線価図の記号で示されているため、あわせて確認しましょう。
角地・二方路線は評価額が上がる
2つ以上の道路に面する土地は、利便性が高いとみなされ、正面の路線価に側面・裏面の路線価の一定割合を加算します(側方路線影響加算・二方路線影響加算)。どちらを「正面路線」とするかは、補正後の金額が高いほうを選ぶのが原則です。角地を単純に「路線価×面積」で計算すると、評価額を低く見積もってしまうので注意しましょう。
23区で特に多い「評価が難しい土地」
東京23区、とくに当社が拠点を置く杉並区のような住宅密集地では、次のような土地が多く見られます。
- 道路に細い通路でつながる旗竿地(路地状敷地)
- 幅4m未満の道路に面し、建て替え時に後退が必要なセットバック対象地
- 複数の家で共有する私道に接する土地、または私道部分そのもの
- 相続のたびに細かく分けられた狭小地・不整形地
これらは不整形地補正、セットバック部分の減額、私道の評価減など、個別の調整が入ります。補正を正しく反映すると評価額が下がることが多い反面、計算は複雑です。形がいびつな土地ほど、専門家の目を入れる価値が大きいといえます。
倍率方式で土地の評価額を調べる方法|固定資産税評価額との関係
路線価が付いていない地域(主に郊外や農村部)では、倍率方式で評価します。23区内の土地ではまれですが、親が地方に土地を持っていたというケースは少なくないため、両方の方法を知っておくと安心です。
計算式はシンプル
倍率方式の計算式は次のとおりです。
相続税評価額 = 固定資産税評価額 × 評価倍率
評価倍率は、国税庁の同じサイトに掲載されている「評価倍率表」で、市区町村・町名・地目(宅地・田・畑・山林など)ごとに確認します。たとえば固定資産税評価額が800万円、宅地の倍率が1.1倍なら、相続税評価額は880万円となります。
路線価方式と倍率方式の違い
| 項目 | 路線価方式 | 倍率方式 |
|---|---|---|
| 対象地域 | 市街地(東京23区はほぼ全域) | 路線価が定められていない地域 |
| 計算の基礎 | 道路ごとの路線価×面積 | 固定資産税評価額×倍率 |
| 形状などの補正 | 奥行・間口・不整形などを個別に反映 | 原則、固定資産税評価額に織り込み済み |
| 確認する資料 | 路線価図・補正率表 | 評価倍率表・課税明細書 |
| 難易度 | 土地の形によって複雑になりやすい | 比較的シンプル |
評価倍率表で「路線」と書かれている町名は路線価地域です。まず倍率表を見て、その土地がどちらの方式に当たるかを判定するのが最初の一歩です。また、農地や山林は倍率方式でも「宅地比準方式」など別の計算になる場合があるため、地目が宅地以外なら税理士に確認しましょう。
固定資産税評価額を「時価の目安」に使うときの注意
固定資産税評価額は公示地価の7割程度が目安とされるため、「固定資産税評価額÷0.7」で時価をざっくり推測する方法が紹介されることがあります。ただし、評価替えが原則3年に1度であることや、個別の土地の事情は反映しきれないことから、あくまで大まかな参考値にとどまります。売却を前提にするなら、近隣の成約事例をもとにした査定を取るほうが現実的です。
土地の評価額を下げる要素|小規模宅地等の特例と利用状況
路線価や倍率で計算した評価額が、そのまま相続税の課税対象になるとは限りません。土地の使われ方や特例によって、評価額が大きく下がることがあります。ここを見落とすと、払わなくてよい税金を払うことになりかねません。
小規模宅地等の特例(最大80%減)
被相続人の自宅の敷地であれば、一定の要件を満たすと特定居住用宅地等として330㎡までの部分の評価額が80%減になります。冒頭の計算例(評価額5,000万円・100㎡)に当てはまれば、課税対象となる評価額は1,000万円まで下がる計算です。地価の高い23区では、この特例を使えるかどうかで相続税額が大きく変わります。
- 特定居住用宅地等:330㎡まで評価額80%減。配偶者、または同居親族などが取得し、申告期限まで保有・居住を続けるなどの要件があります。持ち家のない別居親族が対象になる、いわゆる「家なき子特例」もあります。
- 貸付事業用宅地等:アパートや月極駐車場の敷地など。200㎡まで評価額50%減。
この特例は、要件を満たしていても相続税の申告をしなければ適用を受けられません。特例の結果、相続税がゼロになる場合でも申告が必要になる点に注意しましょう。誰がどの土地を相続するかによって適用の可否が変わるため、遺産分割の話し合いの段階で検討しておくことが大切です。詳しくは冒頭の動画でも解説しています。
貸している土地は評価が下がる
土地の利用状況によっても評価額は変わります。
- 貸家建付地:アパートや貸家が建っている土地。借地権割合と借家権割合をもとに減額します。
- 貸宅地(底地):他人に土地を貸し、借主が建物を建てている土地。借地権割合の分だけ評価が下がります。路線価の後ろのアルファベットはここで使います。
- 使用貸借の土地:親族に無償で貸している場合などは、原則として自用地(更地)と同じ評価になります。
広い土地は「地積規模の大きな宅地」の評価も確認
一定規模以上の広い土地は、「地積規模の大きな宅地の評価」によって評価額が下がる可能性があります。23区内では面積や地区区分などの要件に当てはまるケースは限られますが、相続した土地が広い場合は対象にならないか確認しておきましょう。
土地の評価額と売却価格・税金の関係|相続後の判断ポイント
評価額を調べた後に多いのが、「この土地を持ち続けるか、売るか」という判断です。ここでは評価額と売却・税金の関係を整理します。
相続税評価額は「取得費」にはならない
相続した土地を売ったときの税金(譲渡所得税)は、「売却価格−取得費−譲渡費用」で計算した利益にかかります。ここでよくある誤解が、相続税評価額を取得費として使えると考えてしまうことです。相続した不動産は、被相続人が買ったときの取得日と取得費を引き継ぎます。
- 所有期間(被相続人の所有期間を含む)が5年超なら、税率は20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)
- 5年以下なら39.63%
- 先祖代々の土地などで取得費がわからない場合は、売却価格の5%を概算取得費にできます
取得費が5%だと課税される利益が大きくなりやすいため、親が土地を買ったときの売買契約書や領収書が残っていないか、遺品整理の段階で探しておくことをおすすめします。
売却のタイミングで使える特例
- 取得費加算の特例:相続税を納めた人が、相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月)の翌日から3年以内、つまり相続開始から約3年10ヶ月以内に売却すると、支払った相続税の一部を取得費に加算できます。
- 被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除:昭和56年5月31日以前に建築された家とその敷地などが対象。2027年12月31日までの売却で、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどが要件です。2024年以降は、買主が売却の翌年2月15日までに耐震改修や取壊しを行う場合も対象となり、相続人が3人以上なら1人あたり2,000万円になります。
どちらも期限がある特例です。評価額の確認と相続税の申告を進めながら、売却の可能性があるなら同時並行で査定を取っておくと、特例の期限を逃しにくくなります。売却の流れや税金の詳細は「相続した不動産の売却完全ガイド|税金・手順・高く売るコツ」で詳しく解説しています。
評価額を調べる過程で確認しておきたい期限
| 手続き | 期限・ルール |
|---|---|
| 相続放棄 | 相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ。土地だけの放棄はできず、全財産が対象 |
| 相続税の申告・納付 | 相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内。延納・物納の制度あり |
| 相続登記 | 取得を知った日から3年以内(2024年4月1日から義務化)。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料 |
相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。23区内の土地は評価額が高くなりやすく、自宅の土地だけで基礎控除に近づく、あるいは超えることも珍しくありません。まず評価額の概算を出し、基礎控除を超えそうかどうかを早めに見極めることが、その後の手続きの段取りを決めるうえで役立ちます。
使わない土地を持ち続ける場合のリスク
売らずに保有する場合も、空き家を放置して特定空家等(または管理不全空家)に指定され勧告を受けると、住宅用地の特例(1/6)が外れ、土地の固定資産税が最大6倍相当になる可能性があります。活用も売却も難しい土地については、相続土地国庫帰属制度(審査手数料1筆1万4千円+負担金は原則20万円で面積に応じて増額。建物がある土地、担保権付きの土地、境界が不明な土地などは対象外)という選択肢もあります。
当社は杉並区和田に拠点を置き、東京23区の相続不動産に特化して、評価額の確認から査定・売却、提携税理士との連携までワンストップでお手伝いしています。「評価額は出たけれど、この土地を実際に売るといくらになるのか」という段階のご相談もお気軽にお寄せください。
まとめ:相続した土地の評価額は「路線価か倍率か」の判定から始める
相続した土地の評価額を調べるときは、まず固定資産税評価額・公示地価・実勢価格と区別し、相続税の計算には相続税評価額を使うことを押さえましょう。そのうえで、国税庁の評価倍率表でその土地が路線価地域か倍率地域かを判定し、路線価地域なら「路線価×面積」に形状の補正を加え、倍率地域なら「固定資産税評価額×倍率」で計算します。
東京23区の土地は、ほぼ全域が路線価方式です。旗竿地・セットバック・私道・角地など評価が複雑になる土地が多く、さらに小規模宅地等の特例を使えるかどうかで課税対象額が大きく変わります。評価額は申告の出発点ですが、売却価格とは別物です。申告に使う数字は税理士に、売却の見込みや保有か売却かの判断は不動産会社に相談し、期限のある特例を逃さないよう早めに動き出すことが、相続した土地で損をしないためのポイントです。
相続した不動産、売る前にまずご相談ください
株式会社Best toは、東京23区に特化した不動産の売買仲介会社です。相続に強い体制で、「売るべきか・いつ・どう売るか」を税務・法務まで含めてご提案します。査定・ご相談は無料です。
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