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【2026年版】空き家の固定資産税は6倍になる?特定空き家の条件と回避策
2026.10.25相続コラム
親から相続した実家が空き家のまま、毎年届く納税通知書を見て「このまま持っていて大丈夫だろうか」と悩んでいませんか。「空き家の固定資産税は6倍になる」という話を聞いて不安になる方は多いのですが、実際には空き家になっただけで税額が跳ね上がるわけではありません。本記事では、固定資産税が6倍になる条件と特定空家に指定されるまでの流れ、そして売却を含めた現実的な回避策を、東京23区の相続実務の視点から解説します。
①「6倍」とは、土地にかかる住宅用地特例(課税標準が1/6)が外れることで、土地部分の税負担が最大6倍相当になるという意味です。②特例が外れるきっかけは、自治体から特定空家等または管理不全空家として「勧告」を受けることです。その手前の助言・指導の段階で改善すれば、特例を維持できる可能性があります。③将来使う予定がないなら、3,000万円特別控除などの売却特例の期限内に売却するのが、固定資産税の負担そのものをなくす最も根本的な方法です。
▲ 当社YouTube「相続不動産の教科書」より|【相続の闇】空き家900万戸の現実。親の家を放置するとどうなるか正直に話します
空き家の固定資産税が「6倍」になる仕組み
まずは「なぜ6倍なのか」を正しく理解しておきましょう。仕組みが分かると、どの行動が税負担を増やし、どの行動で避けられるのかが見えてきます。
住宅が建っている土地は税金が軽減されている
固定資産税は、土地と建物それぞれの「課税標準額」に税率をかけて計算します。このうち土地には、人が住むための家が建っている場合に税負担を軽くする住宅用地特例があります。一定の面積までの部分は課税標準が6分の1に軽減されるため、住宅の建っている土地の税額は、本来の評価額から見るとかなり低く抑えられています。
親の代から長く住んでいた家の税額が「思っていたより安い」と感じるのは、この特例のおかげです。そして、相続した空き家でも、建物が住宅として扱われているかぎり、原則として特例はそのまま続きます。
「6倍」は土地部分の話で、上がり幅は「最大」
特定空家等や管理不全空家として勧告を受けると、その土地は住宅用地特例の対象から外れます。1/6に軽減されていた課税標準が元に戻るため、土地部分の固定資産税が最大で6倍相当になる、というのが「6倍」の正体です。
注意したいのは次の3点です。
- 上がるのは土地部分:建物部分の税額はこの特例とは関係がありません。
- 面積によって軽減率が異なる:特例は面積で区分されており、広い敷地では全体がそのまま6倍になるとは限りません。
- 都市計画税にも影響する:東京23区では都市計画税も課税されており、こちらにも住宅用地の軽減があるため、特例が外れると負担が増えます。
さらに、負担調整の仕組みなどにより、実際の上がり幅は物件ごとに異なります。「うちはいくらになるのか」は、毎年届く課税明細書の「課税標準額」「住宅用地の区分」を見ると見当がつきますが、正確な試算は税理士・当社にご確認ください。
| 空き家の状態 | 土地の住宅用地特例 | 土地の固定資産税 |
|---|---|---|
| 適切に管理されている空き家 | 適用あり(1/6) | 軽減されたまま |
| 特定空家等・管理不全空家に指定(助言・指導の段階) | 適用あり | この段階では変わらない(改善を求められる) |
| 勧告を受けた | 適用なし | 最大6倍相当に上がる |
| 解体して更地にした | 適用なし | 同様に上がる |
「空き家になった=増税」ではない。ただし落とし穴も
表のとおり、空き家であること自体は増税の理由になりません。問題になるのは「管理されずに危険・不衛生な状態になり、行政の勧告を受けたとき」です。
一方で、見落とされがちなのが「税金を下げようとして解体したら、かえって税額が上がった」というケースです。建物を取り壊すと住宅用地ではなくなるため、勧告を受けた場合と同じように特例が外れます。解体の判断は、後述するように売却の計画とセットで考えることが大切です。
特定空家・管理不全空家に指定される条件
固定資産税が上がるかどうかの分かれ目は、空家等対策特別措置法(空家法)にもとづく指定と勧告です。どのような状態が対象になるのかを確認しましょう。
特定空家等とされる4つの状態
特定空家等とは、そのまま放置すると周囲に深刻な悪影響を及ぼすおそれがある空き家のことです。法律では、おおむね次の4つの状態が想定されています。
- 倒壊など保安上危険となるおそれがある状態:建物の傾き、屋根や外壁の剥落、ブロック塀のひび割れなど
- 著しく衛生上有害となるおそれがある状態:ごみの放置、害虫・害獣の発生、浄化槽の破損など
- 著しく景観を損なっている状態:落書きの放置、窓ガラスの大量破損など
- 周辺の生活環境の保全上、放置が不適切な状態:庭木の越境、不審者の侵入、動物の住みつきなど
判断は各自治体が現地調査などをもとに行います。「何年空き家なら指定」という一律の基準があるわけではなく、建物と敷地の「状態」で判断される点を押さえておきましょう。
管理不全空家は「特定空家の手前」でも勧告の対象に
2023年の空家法改正で新設されたのが管理不全空家です。今はまだ特定空家等ほど深刻ではないものの、このまま管理されなければ特定空家等になるおそれがある空き家を指します。
従来は「かなり傷んでから」でないと勧告の対象になりませんでしたが、改正後は管理不全空家として勧告を受けた段階でも、住宅用地特例が外れるようになりました。つまり、増税されるまでの猶予は以前より短くなっています。「まだ住める状態だから大丈夫」と考えて長期間放置するのは、以前よりもリスクが高いといえます。
指定から増税・代執行までの流れ
いきなり税額が上がるわけではなく、一般的には次のような段階を踏みます。
近隣からの通報や自治体の巡回をきっかけに、建物の状態を調べ、登記簿や固定資産税の情報から所有者を調べます。相続登記をしていないと、相続人全員に連絡がいくこともあります。
草木の伐採や修繕など、改善を求める通知が届きます。この段階で対応すれば、特例を維持できる可能性があります。
改善されない場合に勧告が出されます。勧告を受けると、土地は住宅用地特例の対象外となり、固定資産税・都市計画税が上がります。
勧告にも従わない場合、期限を定めた措置命令が出されます。命令に違反すると過料の対象になります。
最終的には自治体が解体などを行い、その費用は所有者に請求されます。
ポイントは、増税のスイッチは「勧告」であり、その前に改善のチャンスがあることです。自治体からの封書を「よく分からないから」と放置するのが最も危険です。また、固定資産税は毎年1月1日時点の状況をもとに課税されるのが原則のため、勧告の時期によってどの年度から税額が上がるかが変わります。具体的な取扱いは物件のある区の担当窓口や税理士にご確認ください。
空き家を放置すると固定資産税以外の負担も膨らむ
空き家の固定資産税ばかりに目が向きがちですが、実際に放置して困るのは税金だけではありません。当社にご相談いただく方からも「税金よりも、管理の手間と近所への気づかいがつらい」という声を多く聞きます。
▲ 当社YouTube「相続不動産の教科書」より|親の家を相続したけど、売らずに放置するとどうなる?危険性と対策を解説
- 管理の手間と費用:換気・通水・郵便物の回収・草木の手入れなど、遠方に住んでいれば交通費と時間が毎回かかります。
- 火災保険の問題:住んでいない建物は保険の扱いが変わることがあり、契約内容の見直しが必要になる場合があります。
- 近隣への損害賠償リスク:屋根材や外壁が落ちて通行人や隣家に被害が出た場合、所有者が責任を問われる可能性があります。
- 建物の劣化による価値の低下:人が住まない家は傷みが早く、雨漏りやシロアリが進むと、売却時に解体前提の価格になりやすくなります。
- 相続登記の義務:2024年4月1日から相続登記が義務化され、取得を知った日から3年以内に登記が必要です。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。
- 次の相続で権利関係が複雑に:共有のまま相続人が亡くなると共有者が増え、売却に全員の同意を取るのが難しくなります。
東京23区の空き家で特に注意したいこと
東京23区の住宅地は、隣家との距離が近い密集した街並みが多いのが特徴です。そのため、地方の広い敷地に比べて、建物のわずかな劣化が隣家や通行人への被害に直結しやすい傾向があります。塀の傾きや庭木の越境が、近隣からの通報につながるケースも少なくありません。
また、狭小地・旗竿地・前面道路が狭い土地では、解体や建て替えに制約があったり、接道条件によっては再建築ができなかったりすることがあります。こうした土地は「更地にしてから売る」よりも「古家付きのまま売る」「買取を使う」ほうが合理的な場合もあり、判断には地域の実務経験が欠かせません。当社は杉並区和田に拠点を置き、東京23区の相続不動産に特化して、こうした個別事情を踏まえたご提案をしています。
空き家の固定資産税を増やさないための4つの選択肢
空き家の固定資産税が6倍になる事態を避けるには、大きく分けて「管理する」「活用する」「解体する」「売却する」の4つの選択肢があります。それぞれの特徴を比べてみましょう。
| 選択肢 | 固定資産税への影響 | 主な費用・手間 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 自分で管理を続ける | 適切に管理すれば特例を維持しやすい | 通う手間・修繕費・税金が毎年続く | 将来住む・家族が使う予定がはっきりしている |
| 賃貸などで活用する | 住宅として使われていれば特例は基本的に維持 | リフォーム費・空室や修繕のリスク | 立地が良く建物の状態も良い |
| 解体して更地にする | 特例が外れ、土地の税負担は上がる | 解体費・その後の土地管理 | 売却前提で、更地のほうが売りやすい |
| 売却する | 手放せば以後の固定資産税はかからない | 仲介手数料・譲渡所得税(特例で軽減できる場合あり) | 今後使う予定がない |
管理を続けるなら「指導を受けない状態」を保つ
当面は手放せない事情がある場合は、管理を続けて特例を維持するのが基本です。目安としては、定期的に通って換気・通水を行い、雨漏りや外壁のひび、庭木の越境がないかを確認します。遠方で通えない場合は、空き家の管理代行サービスを利用する方法もあります。
ただし、管理には毎年の費用と手間がかかり続けます。「いつまで、誰が、いくらかけて管理するのか」を家族で決めておかないと、結局は放置に近い状態になりがちです。管理を選ぶ場合も、出口(いつ売るか・誰が住むか)をあわせて決めておきましょう。
解体は「売却とセット」で考える
先述のとおり、解体すると住宅用地特例が外れ、土地の固定資産税は上がります。売れるまで更地のまま保有すると、その間は高い税金を払い続けることになります。
解体費用は、建物の構造(木造か鉄骨・RC造か)、延床面積、前面道路の幅や重機が入れるかどうか、アスベストの有無、家財(残置物)の量などで大きく変わります。東京23区の狭い道路沿いでは、手作業の割合が増えて費用がかさむこともあるため、複数社の見積もりで比較するのが基本です。
また、後述する3,000万円特別控除は、2024年以降、買主が売却の翌年2月15日までに取壊しや耐震改修を行う形でも適用できるようになりました。売主が先に解体費用を負担しなくても特例を使える場合があるため、「解体してから売るか、古家付きで売るか」は、税金・費用・売れやすさを並べて判断しましょう。
相続放棄・国庫帰属は条件が厳しい最終手段
「いっそ手放したい」と考えたとき、相続放棄や相続土地国庫帰属制度を思い浮かべる方もいます。しかし、どちらも使える場面は限られます。
- 相続放棄:相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述が必要です。不動産だけを放棄することはできず、預貯金なども含めた全財産が対象になります。
- 相続土地国庫帰属制度:2023年4月27日に始まった制度で、審査手数料1筆1万4千円と負担金(原則20万円、面積に応じて増額)がかかります。建物がある土地、担保権が付いた土地、境界が不明な土地などは対象外のため、空き家の場合は解体が前提になります。
東京23区の土地は需要があり、売却できる可能性が高いのが一般的です。放棄や国庫帰属を検討する前に、まず売却査定で「いくらで売れるか」を確認することをおすすめします。
売却で空き家の固定資産税から解放されるときの税金と特例
使う予定のない空き家なら、売却すれば固定資産税も管理の手間もなくなります。ただし、売却益には譲渡所得税がかかるため、使える特例を知っておくことが重要です。
譲渡所得は「売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)」で計算し、所有期間によって税率が変わります。
| 所有期間 | 税率 | 内訳 |
|---|---|---|
| 5年超(長期譲渡所得) | 20.315% | 所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5% |
| 5年以下(短期譲渡所得) | 39.63% | — |
相続した不動産は、被相続人(亡くなった親など)の取得日と取得費を引き継ぎます。親が長年所有していた実家であれば、相続してすぐに売っても長期の税率になるケースが多いです。
被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除
相続した実家の売却で、もっとも大きな効果があるのがこの特例です。要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を差し引けます。主な要件は次のとおりです。
- 2027年12月31日までに売却すること
- 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
- 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(旧耐震基準)など
- 耐震改修または取壊しを行うこと(2024年以降は、買主が翌年2月15日までに行う形でも可)
- 相続人が3人以上の場合は、1人あたりの控除額は2,000万円
このほかにも、相続直前の居住状況や売却価格の上限などの要件があります。たとえば2024年中に相続が始まった場合、「3年を経過する日の属する年の12月31日」は2027年12月31日となり、制度自体の期限とも重なります。期限を過ぎると特例は使えないため、売却活動は期限から逆算して早めに始める必要があります。2028年以降の制度延長の有無は現時点で確定していないため、相続時期が新しい方も含めて、適用可否は税理士・当社にご確認ください。
取得費が分からないときと、取得費加算の特例
親が何十年も前に購入した家だと、購入時の契約書が見つからないことがよくあります。取得費が不明な場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算できますが、実際の取得費より低くなりやすく、税額が増える原因になります。売却を決めたら、まず実家の書類を探しておきましょう。
また、相続税を納めた方には取得費加算の特例があります。相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月)の翌日から3年以内、つまり相続開始から約3年10ヶ月以内の売却であれば、支払った相続税の一部を取得費に加えられます。3,000万円特別控除とは選択になる取扱いがあるため、どちらが有利かは税理士と試算して決めるのが安心です。
売却前に相続登記を済ませておく
不動産を売るには、売主の名義になっている必要があります。相続登記が済んでいないと売買契約に進めず、特例の期限が迫る中で手続きに追われることになりかねません。相続人が複数いる場合は遺産分割協議もあわせて進めましょう。売却全体の流れや税金の詳細は、相続した不動産の売却完全ガイド|税金・手順・高く売るコツで詳しく解説しています。
固定資産税を払い続ける前に:売却までの進め方
「いずれ売るつもり」のまま年数が経つと、固定資産税と管理費を払い続けるだけでなく、建物の劣化や特例期限切れで不利になっていきます。売却を検討する場合の基本的な進め方は次のとおりです。
誰が相続するか(単独か共有か)を決め、相続登記を行います。共有にすると売却時に全員の同意が必要になるため、売却前提なら代表者の単独名義や、売却代金を分ける方法も検討します。
建築年(昭和56年5月31日以前か)、登記簿、購入時の契約書、固定資産税の課税明細などを揃えます。3,000万円特別控除や取得費の計算に直結する重要な資料です。
「古家付きのまま売る」「更地にして売る」「不動産会社に買い取ってもらう」の3パターンで手取り額と期間を比較します。
3,000万円特別控除、取得費加算の特例など、どの特例が使えるか、どちらが有利かを試算します。
特例の期限から逆算してスケジュールを組みます。固定資産税は引渡し日を基準に、買主と日割りで精算するのが一般的です。
判断の目安は「保有コスト」と「特例の期限」
売るか持ち続けるかで迷ったときは、次の点を書き出して比べてみてください。
- 固定資産税・都市計画税、管理費、保険料などを合計した年間の保有コスト
- 勧告を受けた場合に土地の税負担が最大6倍相当になった後のコスト
- 3,000万円特別控除・取得費加算の特例の期限まであと何ヶ月か
- 建物の劣化が進んだ場合の売却価格の下落
- 家族の中に本当に住む・使う予定の人がいるか
こうして並べると、「何となく持っている」状態が、実は毎年コストを払いながら売却の条件を悪くしているだけ、と気づく方も少なくありません。当社では、相続登記の段取りから税理士・司法書士との連携、査定・売却までワンストップでサポートしていますので、判断材料を揃える段階からご相談いただけます。
まとめ:空き家の固定資産税は「勧告前」と「特例の期限内」の行動が鍵
空き家の固定資産税が6倍になるのは、空き家になったからではなく、特定空家等や管理不全空家として勧告を受け、土地の住宅用地特例(1/6)が外れたときです。上がるのは主に土地部分で、上がり幅は「最大6倍相当」です。2023年の法改正で管理不全空家も勧告の対象になり、放置から増税までの猶予は以前より短くなっています。
増税を避けるには、自治体から助言・指導の通知が届いた段階で改善すること、そして税金を下げるつもりで先に解体しないことが大切です。将来使う予定がないなら、3,000万円特別控除(2027年12月31日までの売却等)や取得費加算の特例の期限内に売却するのが、固定資産税と管理の負担をなくす根本的な方法です。
「うちの空き家は特例が使えるのか」「古家付きと更地、どちらで売るべきか」など、迷ったときは東京23区の相続不動産に詳しい当社へお気軽にご相談ください。
相続した不動産、売る前にまずご相談ください
株式会社Best toは、東京23区に特化した不動産の売買仲介会社です。相続に強い体制で、「売るべきか・いつ・どう売るか」を税務・法務まで含めてご提案します。査定・ご相談は無料です。
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