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【2026年版】相続した土地を高く売却する方法|更地化・分筆・用途変更のコツ

2026.11.03相続コラム

親から土地を相続したものの、「古い家を壊してから売るべきか」「広すぎて買い手がつかないのでは」と迷っていませんか。相続した土地の売却では、そのまま売り出すか、更地化・分筆・用途の見せ方を工夫するかで、手取り額が大きく変わることがあります。この記事では、相続した土地を高く売却するための具体的な工夫と判断基準を、東京23区の実務目線で解説します。

目次
  1. 相続した土地の売却価格を左右する5つの要素
    1. 形状と接道(間口・前面道路)
    2. 面積と「買主が買える総額」
    3. 用途地域・建ぺい率・容積率
    4. 建物・残置物・境界の状態
  2. 相続土地を売却する前に整えるべき3つの前提
    1. 相続登記を済ませる(2024年4月から義務化)
    2. 遺産分割を決め、共有名義はできるだけ避ける
    3. 境界確定測量を早めに依頼する
  3. 更地化で相続土地を高く売る:解体すべきか残すべきかの判断基準
    1. 更地化が向いているケース
    2. 古家付きのまま売るほうがよいケース
    3. 解体費用の考え方と固定資産税のタイミング
    4. 空き家の3,000万円特別控除との関係
  4. 分筆で相続した土地を高く売却する:広い土地は「切り方」で価格が変わる
    1. 分筆で総額が上がりやすい理由
    2. 分筆で失敗しやすいポイント
    3. 分筆の流れと期間の目安
    4. 遺産分割のための分筆と税金への影響
  5. 用途変更・活用プランの提示で買主の評価を引き上げる
    1. 買主層ごとに評価のポイントが違う
    2. 「建てられるもの」を見える化する
    3. 駐車場・貸地など現況が収益物件の場合
  6. 相続した土地を売却する手順と税金の注意点
    1. 譲渡所得税の基本:所有期間は被相続人から引き継ぐ
    2. 取得費が分からない場合と「取得費加算の特例」
    3. 東京23区で相続土地を売るときの実務の勘所
  7. まとめ:相続した土地の売却は「整える→見せ方を決める→売る」の順で
この記事の結論(先にお伝えします)

相続した土地を高く売るコツは、「誰に・どの形で売るか」を先に決めてから、更地化・分筆・用途変更の要否を判断することです。解体や分筆は費用と時間がかかるため、「やれば高くなる」とは限りません。まず相続登記・遺産分割・境界確定の3つの前提を整え、買主層ごとの評価ポイントに合わせて土地の見せ方を設計します。あわせて、譲渡所得税の特例が使える期限から逆算して売却時期を決めることで、売却額だけでなく最終的な手取りを最大化しやすくなります。

▲ 当社YouTube「相続不動産の教科書」より|相続不動産、売り方で2,000万円変わる!? 更地化×用途変更で高く売る方法

相続した土地の売却価格を左右する5つの要素

同じエリアで同じ面積の土地でも、売却価格には大きな差が出ます。価値向上策を考える前に、まずは「土地のどこが評価され、どこが減額されるのか」を把握しておきましょう。土地の価格は、主に次の5つの要素で決まります。

形状と接道(間口・前面道路)

土地の評価で最も影響が大きいのが、形状と道路との接し方です。整った長方形で、間口が広く、幅員の広い道路に接している土地は評価が高くなります。反対に、間口が狭い・奥行きが長すぎる・三角形や台形などの不整形・道路に細い通路で接する旗竿地は、建物の配置が難しくなるため単価が下がりやすくなります。

また、建築基準法上の道路に2m以上接していない土地は、原則として建物を建て替えられません。前面道路の幅が4m未満の場合は、道路の中心から2m後退する「セットバック」が必要になり、その部分は敷地として使えなくなります。東京23区の古くからの住宅地にはこうした狭い道路が多く、接道とセットバックの確認は相続土地の売却で最初にやるべき調査のひとつです。

面積と「買主が買える総額」

土地は広いほど高く売れると思われがちですが、実際には「買主が予算内で買える総額かどうか」が重要です。東京23区では土地単価が高いため、面積が大きくなると総額が個人の住宅予算を超え、買主が不動産会社や建売業者などに限られてしまいます。業者は造成費や販売経費、利益を差し引いて仕入れ価格を決めるため、広すぎる土地は単価が割安に評価されやすい傾向があります。この「面積と総額のミスマッチ」を解消する手段が、後ほど解説する分筆です。

用途地域・建ぺい率・容積率

都市計画で定められた用途地域によって、建てられる建物の種類や規模が変わります。第一種低層住居専用地域では高さや用途の制限が厳しく、戸建て用地としての需要が中心です。一方、商業系や準工業系の地域、容積率が高い幹線道路沿いでは、マンションや店舗併用住宅、事務所なども検討対象になります。「どんな建物が建てられるか」がそのまま買主層と価格を決めるため、用途地域・建ぺい率・容積率・高度地区・防火規制などは、役所や当社で事前に確認しておきましょう。

建物・残置物・境界の状態

古い建物が残っている、家財道具が大量に残っている、隣地との境界があいまい――こうした状態は、買主にとって「追加の手間とリスク」です。買主はその分を見込んで価格を下げて提示してくるため、結果として売主の手取りが減ります。逆に言えば、これらの弱点を売却前に解消・説明できれば、価格交渉で不利になりにくくなります。

つまり、相続土地の価値向上策は「弱点を消す(境界確定・解体・残置物撤去)」と「強みを見せる(分筆・建築プラン・用途の提案)」の2方向に整理できます。

相続土地を売却する前に整えるべき3つの前提

更地化や分筆といった工夫に取りかかる前に、まず「売れる状態」を整える必要があります。ここが整っていないと、どれほど魅力的な土地でも売買契約や決済に進めません。

相続登記を済ませる(2024年4月から義務化)

土地を売却して買主に名義を移すには、その前提として被相続人から相続人への相続登記が必要です。相続登記は2024年4月1日から義務化され、不動産の取得を知った日から3年以内に申請しなければならず、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。売却予定があるかどうかにかかわらず、早めに手続きを進めておくと、売り出しのタイミングを逃しにくくなります。

遺産分割を決め、共有名義はできるだけ避ける

相続人が複数いる場合、誰が土地を取得するのかを遺産分割協議で決めます。とりあえず法定相続分で共有名義にしておく方法もありますが、共有のままだと売却・解体・分筆のすべてに共有者全員の合意が必要になり、意見が割れると手続きが止まってしまいます。

売却して代金を分けることが決まっているなら、代表者が取得して売却し、代金を分配する「換価分割」を検討するのも一つの方法です。また、相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)までに分割がまとまらないと、小規模宅地等の特例などが使いにくくなる場合があります。分け方によって税負担が変わるため、税理士にもご確認ください。

境界確定測量を早めに依頼する

東京23区の土地取引では、売主の負担で境界を確定させてから引き渡す条件が一般的です。隣地所有者との立会いに加え、前面道路が公道の場合は区などとの官民境界の確定も必要になり、測量の完了まで数ヶ月かかることも珍しくありません。隣地所有者が遠方に住んでいる、相続で連絡先が分からないといった事情があると、さらに時間がかかります。

分筆をする場合も、前提として境界確定が必要です。売却を決めたら、まず土地家屋調査士に現況と既存資料(地積測量図・境界確認書など)を確認してもらい、スケジュールを見積もりましょう。

※ 相続した土地をどうしても手放したいものの買い手がつかない場合は、2023年4月27日に始まった「相続土地国庫帰属制度」も選択肢になります。審査手数料は1筆1万4千円、負担金は原則20万円(面積等に応じて増額)で、建物がある土地・担保権が付いた土地・境界が明らかでない土地などは対象外です。東京23区の宅地であれば、まずは売却を検討するのが一般的です。

更地化で相続土地を高く売る:解体すべきか残すべきかの判断基準

実家などの古い建物が残っている土地では、「解体して更地で売るか」「古家付きのまま売るか」が最初の分かれ道です。どちらが有利かは、建物の状態・想定する買主・税金の特例によって変わります。

更地化が向いているケース

  • 建物の老朽化が進み、雨漏りや傾きなどで住むことが難しい
  • 想定する買主の大半が、建て替えや新築を前提にしている
  • 建物があることで土地の形や広さ、日当たりがイメージしにくい
  • 空き家のままでは管理が難しく、倒壊や不法侵入などのリスクがある

更地にすると、買主は土地の形状や高低差、周辺環境をそのまま確認できます。住宅メーカーによる建築プランも作りやすくなり、個人の買主が「ここに家を建てたい」と具体的にイメージしやすくなることが、成約の早さや価格につながります。

古家付きのまま売るほうがよいケース

  • 建物がまだ使える状態で、リフォームして住みたい買主や賃貸用に購入したい買主が見込める
  • 再建築不可など、解体すると新たに建物を建てられない可能性がある
  • 解体費用を先に用意するのが難しい、または相続人間で費用負担の合意が取れていない
  • 空き家の3,000万円特別控除を、買主側の取壊しを前提に活用したい

特に注意したいのが、再建築不可の土地や接道に問題がある土地を安易に解体してしまうことです。今の建物を壊すと新しい建物が建てられず、かえって価値が下がるおそれがあります。解体の前には、接道状況や建築の可否を役所・当社で確認してください。

比較項目 古家付きで売る 更地にして売る
売主の先行費用 原則かからない(残置物撤去程度) 解体費用・滅失登記費用がかかる
買主のイメージしやすさ 建物が邪魔をして土地の良さが伝わりにくい 形状・広さ・日当たりが伝わりやすい
主な買主層 リフォーム希望者・業者・投資家 注文住宅を建てたい個人・建売業者
固定資産税 住宅用地特例が続く(特定空家等の勧告を受けた場合を除く) 1月1日時点で更地だと特例が外れる
契約不適合のリスク 建物の不具合を免責にする調整が必要 地中埋設物などに注意が必要

解体費用の考え方と固定資産税のタイミング

解体費用は、建物の構造(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造)、延床面積、前面道路の幅や重機の入りやすさ、アスベストの有無、ブロック塀や庭木・残置物の量などで大きく変わります。東京23区の住宅地は道路が狭く、重機や車両が入りにくい現場も多いため、同じ広さでも郊外より費用が膨らみやすい点に注意が必要です。複数の解体業者から、残置物処分や整地まで含めた見積もりを取り、内訳を比較しましょう。なお、建物を解体した後は、1ヶ月以内に建物滅失登記を申請する必要があります。

税金面では、固定資産税のタイミングが重要です。住宅が建っている土地には、税額を最大6分の1に抑える住宅用地特例が適用されていますが、固定資産税は毎年1月1日時点の状況で課税されるため、年内に解体して年をまたぐと、翌年度から土地の税額が上がります。一方、空き家を放置して特定空家等(または管理不全空家)に指定され勧告を受けると、住宅用地特例が外れ、最大6倍相当の固定資産税がかかる可能性があります。「解体は売却の目途が立ってから」「年内に引き渡しまで完了させる」など、売却スケジュールと一体で計画するのが実務の基本です。

空き家の3,000万円特別控除との関係

被相続人が一人で住んでいた家を相続した場合、一定の要件を満たせば、売却益から最大3,000万円を差し引ける「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」が使えます。主な要件は、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること、2027年12月31日までの売却であることなどです。相続人が3人以上の場合は、1人あたりの控除額が2,000万円になります。

この特例は、売主が耐震改修するか、建物を取り壊して更地で売る場合に使えます。さらに2024年以降は、買主が売却の翌年2月15日までに耐震改修や取壊しを行う場合も対象になりました。そのため、「売主が解体費を負担して更地で売る」か「古家付きで売り、買主に取壊してもらう」かを、価格と特例の両面から比較できます。要件は細かく、適用できるかどうかで税額が大きく変わるため、解体や契約の前に税理士・当社へご確認ください。

分筆で相続した土地を高く売却する:広い土地は「切り方」で価格が変わる

分筆とは、登記上1つの土地(1筆)を、複数の土地に分けて登記し直すことです。相続した土地が周辺の一般的な区画より広い場合、分筆は価値向上策の有力な選択肢になります。

分筆で総額が上がりやすい理由

前述のとおり、東京23区では総額が大きすぎる土地は個人の買主が手を出しにくく、業者向けの割安な価格になりがちです。広い土地を戸建て1棟分ずつに分けて売り出せば、1区画あたりの総額が個人の予算に収まり、買主の母数が増えることで、合計の売却額が上がることがあります。また、「1区画は売却し、もう1区画は相続人が自宅用に残す」「1区画は売却して相続税の納税資金に充てる」といった柔軟な使い方ができる点もメリットです。

分筆で失敗しやすいポイント

分筆は、切り方を間違えると価値を下げてしまうことがあります。特に次の点には注意が必要です。

  • 接道義務:分けた後の各区画が、建築基準法上の道路に2m以上接していないと、その区画には建物を建てられません。
  • 敷地面積の最低限度:区や用途地域によっては、敷地面積の最低限度が定められており、それを下回る区画は原則として新築できません。杉並区をはじめ23区の住宅地では、地区計画などでこうしたルールが設けられているエリアもあります。
  • 旗竿地の発生:奥の区画が細い通路で道路に接する旗竿地になると、手前の区画より単価が下がりやすくなります。
  • 道路を新設する場合:土地の中に道路を設けて区画を分ける場合は、位置指定道路の申請や開発許可などが必要になることがあり、費用と期間が大きく増えます。

分筆は登記をすると元に戻すのに手間がかかります。測量・登記の前に、区画割りごとの想定売却額を比較しておくことが重要です。「2区画に分ける」「3区画に分ける」「分けずに1区画で売る」の複数案を並べ、費用と期間を差し引いた手取りで判断しましょう。

分筆の流れと期間の目安

1
区画割りの検討
接道・最低敷地面積・建築プランを踏まえ、複数の区画案と想定売却額を比較します。
2
境界確定測量
土地家屋調査士が隣地・道路との境界を確定させます。立会いの調整次第で数ヶ月かかることがあります。
3
分筆登記の申請
測量結果をもとに分筆登記を申請します。境界確定が済んでいれば、登記自体は比較的短期間で完了します。
4
区画ごとの販売
区画ごとに建築プランや販売図面を用意し、個人の買主・建売業者など最適な買主層に向けて売り出します。

費用は、測量・登記の報酬のほか、境界標の設置、ブロック塀の撤去・新設、ライフライン(上下水道・ガス)の引き込みを区画ごとに分ける工事などが発生する場合があります。特に上下水道の引き込みは見落とされやすく、買主の負担になると価格交渉の材料になるため、事前に確認しておきましょう。

遺産分割のための分筆と税金への影響

相続人が複数いる場合、土地を分筆してそれぞれが1区画ずつ取得する「現物分割」も可能です。ただし、区画ごとの形や接道条件で価値に差が出るため、面積を均等にしても公平にならないことがあります。また、分筆の仕方や誰がどの区画を取得するかによって、小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等は330㎡まで評価額80%減など)の適用範囲や相続税評価額が変わることがあります。相続税の申告と売却の両方に影響するため、分筆前に税理士と方針を共有しておくことをおすすめします。

用途変更・活用プランの提示で買主の評価を引き上げる

土地そのものの形を変えなくても、「この土地で何ができるか」を買主に具体的に示すことで、評価が上がることがあります。動画でお伝えしている「用途変更」の考え方は、土地を誰に・どの用途で売るのかを見直し、最も高く評価する買主に届けることです。

買主層ごとに評価のポイントが違う

買主層 重視するポイント 向いている土地
個人(注文住宅) 総額・住環境・日当たり・学区・駅距離 戸建て1〜2棟分の整形地
建売業者 区画割りの効率・仕入れ価格・販売スピード 分筆して複数棟が建てられる広めの土地
アパート・賃貸事業者 容積率・賃料相場・駅距離・利回り 容積率に余裕があり駅に近い土地
店舗・事業用の買主 前面道路の交通量・視認性・用途制限 幹線道路沿い・商業系の用途地域

例えば、住宅地としては広すぎて割高に見える土地でも、容積率に余裕があり駅にも近ければ、賃貸住宅用地として評価する買主が現れる可能性があります。逆に、商業系の用途地域でも周辺が静かな住宅街であれば、戸建て用地として売り出したほうが反響が得られることもあります。用途地域で「建てられるもの」と、周辺の需要で「求められているもの」の両方から買主層を決めるのがポイントです。

「建てられるもの」を見える化する

土地の購入を検討する人の多くは、その土地にどんな建物が建つのかをすぐには判断できません。そこで有効なのが、販売図面に建築プランの参考例を添える方法です。

  • 戸建てなら、間取り・駐車場の有無・延床面積の参考プラン
  • 賃貸住宅なら、想定戸数・想定賃料・概算の収支
  • 分筆予定地なら、区画割り図と各区画の参考プラン

高低差がある土地、旗竿地、セットバックが必要な土地など、一見すると扱いにくい土地ほど、プランの提示による効果が出やすくなります。「この形でも駐車場付きの3LDKが建つ」と分かれば、買主の不安が解消され、値下げ交渉を受けにくくなります。

駐車場・貸地など現況が収益物件の場合

相続した土地が月極駐車場やコインパーキングとして使われている場合は、契約の解約条件や撤去にかかる期間を確認しておきましょう。更地として売るなら、解約予告期間を踏まえて売却スケジュールを組む必要があります。一方、収益を生んでいる状態のまま投資家に売る選択肢もあります。

注意したいのは、土地を他人に貸して建物が建っている「貸地(底地)」のケースです。借地権が設定されていると、買主は自由に土地を使えないため、評価が大きく下がります。借地人への売却や、借地権と底地の同時売却など、通常の土地とは異なる売り方が必要になるため、相続に詳しい専門家へご相談ください。

相続した土地を売却する手順と税金の注意点

ここまでの価値向上策を踏まえて、相続土地の売却の全体の流れを整理します。相続不動産全般の手順や必要書類、税金の詳細は、相続した不動産の売却完全ガイド|税金・手順・高く売るコツもあわせてご覧ください。

1
相続人・財産の確認と遺産分割
遺言書の有無を確認し、相続人全員で土地の取得者と分け方を決めます。
2
相続登記
取得者の名義に登記します。取得を知った日から3年以内が義務です。
3
土地の調査と査定
接道・用途地域・境界・埋設物などを調査し、「そのまま」「更地化」「分筆」の各パターンで査定を比較します。
4
価値向上策の実施
境界確定測量、解体、分筆登記、建築プランの作成など、手取りが増える施策だけを選んで実施します。
5
販売活動・売買契約
想定した買主層に向けて売り出し、条件交渉を経て売買契約を結びます。
6
決済・引き渡しと確定申告
代金を受け取り引き渡した後、売却した翌年に譲渡所得の確定申告を行います。

譲渡所得税の基本:所有期間は被相続人から引き継ぐ

土地を売却して利益(譲渡所得)が出ると、所得税・住民税がかかります。譲渡所得は「売却価格-(取得費+譲渡費用)」で計算し、解体費用や測量費用、仲介手数料などは、売却のために直接かかった費用として譲渡費用に含められる場合があります。

所有期間 税率 内訳
5年超(長期譲渡所得) 20.315% 所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%
5年以下(短期譲渡所得) 39.63% 所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%

相続した土地は、被相続人が取得した日と取得費をそのまま引き継ぎます。親が長年所有していた土地であれば、相続直後に売っても長期譲渡所得として扱われるケースが多くなります。なお、所有期間は売却した年の1月1日時点で判定されます。

取得費が分からない場合と「取得費加算の特例」

親が何十年も前に購入した土地では、購入時の売買契約書が見つからないことがよくあります。取得費が不明な場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算できますが、実際の取得費より大幅に少なくなり、税額が大きくなりがちです。契約書や通帳の記録、当時のパンフレットなど、取得費を示す資料は売却前に探しておくことをおすすめします。

また、相続税を納めた人が、相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月)の翌日から3年以内、つまり相続開始から約3年10ヶ月以内に売却した場合は、支払った相続税の一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」があります。一方で、空き家の3,000万円特別控除とは原則として併用できないとされているため、どちらが有利かは売却前にシミュレーションが必要です。更地化や分筆に時間をかけすぎて特例の期限を過ぎてしまうと、価格が上がっても手取りが減ることがあります。価値向上策の所要期間と、特例の期限を並べて売却時期を決めることが大切です。

東京23区で相続土地を売るときの実務の勘所

東京23区の土地は、同じ区内でも駅距離、道路の幅、用途地域、地区計画の有無によって評価が細かく変わります。杉並区のように低層住宅地が広がるエリアでは、敷地面積の最低限度や高さ制限が分筆や建築プランに影響しやすく、机上の査定だけでは最適な売り方を判断しにくいのが実情です。

杉並区和田に拠点を置く株式会社Best toでは、東京23区の相続不動産に特化し、現地調査・役所調査をもとに「そのまま売る」「更地にして売る」「分筆して売る」の複数パターンで手取り額を比較してご提案しています。測量・解体・登記・税務の専門家と連携したワンストップ体制のため、相続人の皆さまが個別に業者を探して調整する負担を減らせます。

※ 本記事の税制は2026年10月時点の制度に基づく一般的な解説です。特例の適用可否や税額は個別の事情によって異なりますので、具体的な判断は税理士・当社にご確認ください。

まとめ:相続した土地の売却は「整える→見せ方を決める→売る」の順で

相続した土地の売却で手取りを増やすには、いきなり解体や分筆に取りかかるのではなく、順番を守って判断することが重要です。

  • まず相続登記・遺産分割・境界確定の3つの前提を整え、「売れる状態」にする
  • 次に、接道・面積・用途地域から想定する買主層を決め、更地化・分筆・用途変更(活用プランの提示)のうち手取りが増える施策だけを選ぶ
  • 最後に、譲渡所得税の税率や取得費加算・空き家の3,000万円特別控除の期限から逆算して、売却時期を決める

更地化や分筆は、うまくいけば売却額を大きく引き上げられる一方、費用と時間がかかり、判断を誤ると価値を下げてしまうこともあります。「この土地はどう売るのが一番よいのか」と迷ったら、複数の売り方を比較したうえで決めることをおすすめします。東京23区で相続した土地の売却をお考えの方は、税金の確認も含めて、お気軽に株式会社Best toへご相談ください。

相続した不動産、売る前にまずご相談ください

株式会社Best toは、東京23区に特化した不動産の売買仲介会社です。相続に強い体制で、「売るべきか・いつ・どう売るか」を税務・法務まで含めてご提案します。査定・ご相談は無料です。

よくあるご質問(Q&A)

相続した土地に古い家が建っています。解体してから売却したほうが高く売れますか?
一概には言えません。建物の老朽化が進んでいて買主の大半が建て替え前提の場合は、更地にすると買主が完成形をイメージしやすく、成約が早まりやすくなります。一方で、解体費用を先に負担する必要があり、1月1日時点で更地だと翌年から固定資産税の住宅用地特例が外れます。古家付きで買主の反応を確かめてから判断する方法もありますので、当社にご相談ください。
広い土地を相続しました。分筆して売ると高くなるのでしょうか?
東京23区では個人の買主が予算内で買える面積に需要が集まりやすく、広い土地を分けると1区画あたりの総額が下がり、買主が増えて合計額が上がるケースがあります。ただし、各区画が道路に2m以上接していること、区や用途地域による敷地面積の最低限度を満たすことなどが前提です。旗竿地になる区画は単価が下がりやすいため、切り方を事前にシミュレーションすることが大切です。
相続した土地を売却したときの税金はどのくらいかかりますか?
譲渡所得(売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた利益)に課税されます。所有期間5年超なら20.315%、5年以下なら39.63%で、相続した土地は被相続人の取得日と取得費を引き継ぎます。取得費が不明な場合は売却価格の5%を概算取得費にできます。取得費加算の特例や空き家の3,000万円特別控除が使えるかどうかで税額が大きく変わるため、税理士にご確認ください。
相続登記をしていない土地でも売却できますか?
売却して買主へ名義を移すには、その前提として相続人への相続登記が必要です。相続登記は2024年4月1日から義務化され、取得を知った日から3年以内に申請しなければならず、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。売却を考え始めた段階で、遺産分割の内容とあわせて早めに登記を進めておくと、売り出しまでの期間を短くできます。
売却前に境界確定測量は必要ですか?
法律上の義務ではありませんが、東京23区の土地取引では境界確定を売主の負担で行う条件が一般的です。境界があいまいなままだと買主の住宅ローン審査や建築計画に影響し、価格交渉の材料になりやすくなります。隣地所有者の立会いや道路との官民境界の確定には数ヶ月かかることもあるため、売却を決めたら早めに土地家屋調査士へ依頼することをおすすめします。
この記事の監修・発信
株式会社Best to(東京都心23区特化の不動産売買仲介・サブリース)
2013年設立。東京23区を中心に、不動産の売買仲介・サブリース・居住支援を手がける不動産会社です。相続不動産の売却に強く、税務・法務・売却を一体でご提案するワンストップ体制が特長。YouTubeチャンネル「相続不動産の教科書」でも、相続と不動産に関する情報を発信しています。
代表者:神農 貴大 / 所在地:〒166-0012 東京都杉並区和田1丁目21番16号
免許・登録:宅地建物取引業 東京都知事(1)第100588号 / 住宅確保要配慮者居住支援法人 東京都知事第26号
顧問弁護士:今村記念法律事務所
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務・法務の個別判断を保証するものではありません。税制・法制度は改正される場合があります。実際のお取引にあたっては、当社または税理士・弁護士等の専門家にご確認ください。(最終更新:2026年10月)




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