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【2026年版】土地を売却した時の税金はいくら?譲渡所得税の計算と節税特例
2026.10.22相続コラム
「土地を売却したら税金はいくらかかるのか」「結局、手元にいくら残るのか」――土地の売却を考え始めた方の多くが、最初にこの疑問にぶつかります。土地売却の税金は売却価格そのものではなく「利益」にかかり、所有期間や使える特例によって数百万円単位で変わることもあります。本記事では2026年時点の制度をもとに、譲渡所得税の計算式・税率・節税特例を、不動産実務の視点でわかりやすく解説します。
土地売却の税金は「譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)−特別控除」に税率をかけて計算します。税率は所有期間5年超なら20.315%、5年以下なら39.63%で、約2倍の差があります。取得費が分からないと売却価格の5%しか差し引けず税額が膨らむため、購入時の契約書を探すことが最初の節税策です。相続した空き家の土地なら最大3,000万円の特別控除が使える可能性もあるため、売却前に要件を確認しましょう。
▲ 当社YouTube「相続不動産の教科書」より|【知らなきゃ損】相続不動産売却で使える節税制度5選!税金が数百万円変わる!?
土地を売却した時にかかる税金の全体像
土地を売却したときに中心となる税金が「譲渡所得税」です。正確には、所得税・復興特別所得税・住民税の3つをまとめて譲渡所得税と呼んでいます。土地や建物の売却益は、給与所得などとは別に計算する「分離課税」です。そのため、会社員の方でも、利益が出たら売却した翌年に確定申告が必要になります。
税金がかかるのは「売却価格」ではなく「利益」
よくある誤解が、「5,000万円で売れたら5,000万円に税金がかかる」というイメージです。実際には、課税されるのは売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた「譲渡所得(利益)」だけです。購入したときの価格が高く、売却価格のほうが安い場合は譲渡所得がマイナスになり、譲渡所得税はかかりません。
ただし、購入時の価格を証明できないと、実際より「利益が大きい」と扱われてしまいます。土地売却の税金で損をする典型的なパターンなので、後ほど詳しく解説します。
譲渡所得税以外にかかる税金・費用
土地売却では、譲渡所得税のほかにも次のような税金・費用がかかります。どれも手取り額に影響するため、売却活動を始める前に把握しておきましょう。
| 項目 | 内容 | 金額の考え方 |
|---|---|---|
| 印紙税 | 売買契約書に貼る印紙代 | 契約金額に応じて決まる(軽減措置の有無は最新情報を確認) |
| 登録免許税 | ローンが残っている場合の抵当権抹消登記 | 不動産の数に応じた額+司法書士報酬 |
| 仲介手数料 | 不動産会社に支払う報酬 | 宅地建物取引業法で上限が決まっている |
| 測量費 | 境界確定・確定測量の費用 | 隣地の数や、道路など官有地との境界確認の有無で大きく変わる |
| 解体費 | 古家付き土地を更地にする費用 | 建物の構造・面積・重機の入りやすさで変わる |
| 国民健康保険料など | 譲渡所得が翌年の保険料計算に影響する場合がある | 所得に連動する制度は負担が増える可能性がある |
このうち仲介手数料・測量費・売却のための解体費などは、「譲渡費用」として譲渡所得から差し引ける可能性があります。領収書や請求書は捨てずにまとめて保管しておくことが、そのまま節税につながります。
土地売却の税金の計算方法|譲渡所得の計算式
土地売却の税金は、次の2ステップで計算します。計算式自体はシンプルですが、それぞれの項目に「何を含められるか」で税額が大きく変わります。
譲渡所得=譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額
譲渡所得税額=譲渡所得×税率(所有期間5年超:20.315%/5年以下:39.63%)
譲渡価額=売却代金(精算金を含む)
譲渡価額は、基本的に売買契約書に書かれた売却代金です。加えて、引渡し時に買主から受け取る固定資産税・都市計画税の精算金も、譲渡価額に含めて計算するのが一般的です。精算金は数万〜数十万円になることもあるので、計算から漏れないよう注意しましょう。
取得費=土地を手に入れるためにかかったお金
取得費は、その土地を買ったときにかかった費用の合計です。主に次のようなものが含まれます。
- 土地の購入代金
- 購入時に支払った仲介手数料
- 購入時の登記費用(登録免許税・司法書士報酬)や不動産取得税、契約書の印紙代
- 購入後に行った造成工事・土地の測量などの費用
建物は年数とともに価値が減る(減価償却する)ため、取得費の計算が複雑になります。一方で土地は減価償却しないので、購入代金をそのまま取得費にできるのが特徴です。建物付きで購入した場合は、土地と建物の代金を分けて考える必要があり、判断に迷う場合は税理士に確認しましょう。
譲渡費用=売却するために直接かかったお金
譲渡費用は「売るために直接かかった費用」です。何でも差し引けるわけではない点に注意が必要です。
| 譲渡費用に含められる主なもの | 一般に含められないもの |
|---|---|
| 売却時の仲介手数料 | 毎年の固定資産税・都市計画税 |
| 売買契約書の印紙代 | 抵当権抹消の登記費用 |
| 売却のための測量費・境界確定費用 | 草刈りなど日常の維持管理費 |
| 売却のための建物の取壊し費用 | 売却代金で行ったローン返済 |
| 借地人・借家人への立退料 | 相続手続き全般の費用(個別判断) |
判断が分かれやすいのが、相続した土地の遺品整理費用や、売却前に行ったリフォーム・整地の費用です。「売却のために直接必要だったか」が判断のポイントになります。迷う費用は自己判断で外さず、領収書を残したうえで税理士に確認するのが安全です。
取得費が分からない場合は「売却価格の5%」
土地売却の税金で最も影響が大きいのが、この取得費の問題です。購入時の売買契約書や領収書が見つからず取得費が分からない場合は、売却価格の5%を「概算取得費」として計算できます。
たとえば5,000万円で売却した場合、概算取得費は250万円です。実際には2,000万円で買っていたとしても、証明できなければ250万円しか差し引けません。その結果、取得費の書類が1枚ないだけで、税額が数百万円増えることがあるのです。
東京23区では、昭和の時代に親や祖父母が購入した土地が今も多く残っています。こうした土地は当時の書類が残っていないことも珍しくありません。一方で地価は当時より大きく上がっている傾向があるため、概算取得費になると課税される利益が膨らみやすいのが実情です。まずは次のような資料を探してみましょう。
- 購入時の売買契約書・重要事項説明書・領収書
- 購入代金を支払った時期の通帳の記録
- 購入時の住宅ローンの契約書・返済予定表
- 登記事項証明書(購入時期や前の所有者の確認に使う)
購入時の不動産会社や金融機関に記録が残っていることもあります。ほかの資料から取得費を推計する方法が認められるかどうかは個別判断になるため、税理士にご相談ください。
土地売却の税金は所有期間で税率が変わる|長期・短期の違い
土地売却の税率は、所有期間が5年を超えるかどうかで2段階に分かれます。
| 区分 | 所有期間 | 税率(合計) | 内訳 |
|---|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315% | 所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5% |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63% | 所得税・復興特別所得税・住民税の合計 |
短期と長期では、税率に約2倍の差があります。同じ利益でも、売る時期が少しずれるだけで手取りが大きく変わる可能性があるということです。
所有期間は「売却した年の1月1日時点」で判定する点に注意
所有期間は、実際に持っていた期間ではなく、売却した年の1月1日時点で5年を超えているかで判定するとされています。
たとえば2021年7月に購入した土地を2026年7月に売る場合、実際の所有期間はちょうど5年です。しかし2026年1月1日時点では4年5か月なので、短期譲渡として扱われる可能性があります。2027年に入ってから売れば、1月1日時点で5年5か月となり長期譲渡になります。
購入から5年前後で売却を考えている方は、売買契約日や引渡し日をどう設定するかも含めて、事前に税理士へ確認することをおすすめします。
相続した土地は被相続人の取得日・取得費を引き継ぐ
相続した土地の場合、亡くなった方(被相続人)が買った日と、買ったときの価格をそのまま引き継ぎます。そのため、相続してすぐに売っても、被相続人が長く持っていた土地であれば長期譲渡(20.315%)になるケースが多くなります。
注意したいのは、取得費は「相続税評価額」ではなく「被相続人が購入した価格」になる点です。相続税の申告で使った評価額を取得費にできると思い込んでいる方も多いため、気をつけましょう。相続した不動産の売却手順や相続特有の論点は、相続した不動産の売却完全ガイド|税金・手順・高く売るコツで詳しく解説しています。
【シミュレーション】土地売却の税金はいくらになる?
実際にいくらになるのか、同じ「5,000万円で売却」という条件で4つのケースを比べてみます(譲渡費用はいずれも200万円と仮定)。
| ケース | 取得費 | 特別控除 | 譲渡所得 | 税率 | 税額の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| A:長期・取得費が分かる | 2,000万円 | なし | 2,800万円 | 20.315% | 約569万円 |
| B:短期・取得費が分かる | 2,000万円 | なし | 2,800万円 | 39.63% | 約1,110万円 |
| C:長期・取得費が不明 | 250万円(5%) | なし | 4,550万円 | 20.315% | 約924万円 |
| D:長期・取得費不明+空き家特例 | 250万円(5%) | 3,000万円 | 1,550万円 | 20.315% | 約315万円 |
同じ5,000万円の売却でも、税額は約315万円から約1,110万円まで大きく開きます。ここから分かるポイントは次の3つです。
- AとB:所有期間が5年以下だと、税額は約541万円増える
- AとC:取得費の書類がないだけで、税額は約355万円増える
- CとD:特例が使えれば、取得費が不明でも税額を大きく抑えられる可能性がある
つまり土地売却の税金は、「いつ売るか」「書類があるか」「特例が使えるか」の3点で大きく変わるということです。売却価格を数百万円上げる交渉と同じくらい、税金の準備は手取り額に直結します。
土地売却の税金を抑える節税特例と対策
ここでは、土地売却で検討したい主な特例と、売却前にできる対策を紹介します。特例は要件を一つでも満たさないと使えないため、「売ってから調べる」のではなく「売る前に確認する」ことが重要です。
被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除
親が一人で住んでいた実家を相続し、その家や土地を売る場合に検討したいのが、この特例です。要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を差し引けるため、税額への影響がとても大きい制度です。主な要件は次のとおりです。
- 昭和56年5月31日以前に建てられた家屋であること(いわゆる旧耐震)
- 相続開始の直前に被相続人が住んでいたこと等
- 家屋を耐震改修するか、取り壊して更地で売ること(2024年以降は、買主が売却の翌年2月15日までに耐震改修・取壊しを行う場合も対象)
- 2027年12月31日までに売却すること
- 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
相続人が3人以上で共有している場合は、控除額は1人あたり2,000万円になります。
特に注意したいのが期限です。たとえば2025年3月に相続が始まった場合、「3年を経過する日の属する年の12月31日」は2028年12月31日ですが、制度そのものの期限は現行で2027年12月31日です。早いほうの期限に間に合わなければ特例は使えません。制度が延長されるかどうかは現時点では断定できないため、最新情報は税理士にご確認ください。
相続税の取得費加算の特例
相続税を納めた方が相続した土地を売る場合、納めた相続税の一部を取得費に加えられる特例があります。相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月)の翌日から3年以内、つまり相続開始から約3年10ヶ月以内の売却が要件です。
この特例の計算方法や、空き家の3,000万円特別控除とどちらが有利か(併用できるか)といった相続特有の論点は、相続不動産の税金をテーマにした別記事で詳しく扱っています。個別のケースでは税理士・当社にご確認ください。
ご自身が住んでいた自宅の土地を売る場合
ご自身が住んでいるマイホームの土地・建物を売る場合は、居住用財産を売ったときの特別控除や、長く所有した場合の軽減税率など、別の特例が用意されています。ただし、住まなくなってからの期間や、親族への売却でないことなど細かい要件があり、控除額や税率も含めて個別の確認が欠かせません。自宅の売却を考えている方は、売却前に税理士へ確認しましょう。
売却のタイミングを調整する
所有期間が5年前後の土地は、売却する年を1年ずらすだけで短期譲渡から長期譲渡に変わる可能性があります。前述のシミュレーションのとおり、税額が数百万円変わることもあるため、急いで売る理由がなければ時期を調整する価値があります。
また、譲渡所得は翌年の住民税や、所得に連動する国民健康保険料などにも影響します。ほかに大きな収入がある年を避けるなど、家計全体で見たタイミングも検討しましょう。同じ年に別の土地・建物の売却で損失が出ている場合は、利益と相殺できるケースもあるため、税理士に相談してください。
東京23区で土地を売るときの実務の勘所
東京23区の土地は地価が高い傾向があり、譲渡所得も大きくなりやすいため、税金の差が手取りに与える影響も大きくなります。さらに23区では、狭小地・旗竿地・私道に面した土地・境界が確定していない土地が多く、確定測量や隣地との境界確認だけで数か月かかることも珍しくありません。
「特例の期限ぎりぎりで動き出したら、測量が間に合わなかった」という事態を避けるためにも、期限から逆算して早めに準備を始めることが大切です。当社(株式会社Best to)は杉並区和田に拠点を置き、東京23区の相続不動産に特化しています。提携する税理士・司法書士と連携し、税金の試算から相続登記、測量、売却までワンストップでご相談いただけます。
土地売却後の確定申告の流れと注意点
土地を売却して利益が出た場合は、売却した翌年の確定申告期間に申告・納税します。特例の多くは確定申告をしなければ適用されないため、税額がゼロになる場合でも申告が必要になることがあります。おおまかな流れは次のとおりです。
購入時の契約書・領収書、登記事項証明書などを集め、使える特例と期限を確認します。相続した土地は相続登記が済んでいるかもチェックします。
契約書、精算書、仲介手数料や測量費などの領収書は、すべて申告で使うのでまとめて保管します。
譲渡価額・取得費・譲渡費用を整理し、所有期間の区分と特例の適用を確認して税額を計算します。
確定申告書と譲渡所得の内訳書を作成し、特例に必要な添付書類とあわせて提出します。具体的な申告期間は国税庁の案内でご確認ください。
譲渡所得にかかる住民税は、申告後に自治体から届く通知にもとづいて納めます。
納税資金は売却代金から確保しておく
土地売却の税金は、売却してから納めるまでに時間が空きます。その間に売却代金を住み替えや生活費に使ってしまい、納税の時期に資金が足りなくなるというケースは少なくありません。シミュレーションで税額の目安をつかんだら、その分は別の口座に分けて残しておくと安心です。
相続した土地は相続登記を先に済ませる
相続した土地を売るには、まず相続人の名義に変える「相続登記」が必要です。相続登記は2024年4月1日から義務化されており、取得を知った日から3年以内に申請しなければなりません。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。遺産分割の話し合いが長引くと売却や特例の期限に影響するため、早めに着手しましょう。
なお、建物がなく、担保権もなく、境界がはっきりしているなどの条件を満たす土地で、売却がどうしても難しい場合は、相続土地国庫帰属制度(審査手数料1筆1万4千円+負担金は原則20万円で面積に応じて増額)で国に引き取ってもらう選択肢もあります。売却と比べてどちらが良いかは、土地の状況によって変わります。
まとめ:土地売却の税金は「計算式の理解」と「特例の事前確認」で変わる
土地を売却した時の税金は、売却価格から取得費と譲渡費用、特別控除を差し引いた「譲渡所得」に税率をかけて計算します。税率は所有期間5年超なら20.315%、5年以下なら39.63%と約2倍の差があり、所有期間は売却した年の1月1日時点で判定する点に注意が必要です。
取得費が分からないと売却価格の5%しか差し引けないため、まずは購入時の契約書や領収書を探すことが、最も手軽で効果の大きい節税策です。相続した空き家の土地であれば3,000万円の特別控除が使える可能性がありますが、建築年や売却期限などの要件があり、売った後では間に合わないことがあります。
同じ5,000万円の売却でも、準備しだいで税額は数百万円変わります。土地売却の税金で後悔しないために、売り出す前に税額の目安と使える特例を確認しておきましょう。東京23区の土地、とりわけ相続した土地の売却を検討中の方は、税理士・司法書士と連携してワンストップで対応する当社へお気軽にご相談ください。
相続した不動産、売る前にまずご相談ください
株式会社Best toは、東京23区に特化した不動産の売買仲介会社です。相続に強い体制で、「売るべきか・いつ・どう売るか」を税務・法務まで含めてご提案します。査定・ご相談は無料です。
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